縁をなぞる              @ 新宿 GALLERY FRESCA 1997年 1月

恋 人

【立体】鉄、石塑粘土、麻繊維、杉板、オルゴール 他 色々

景色という意味

【立体】アルミ、石塑粘土、綿布、麻繊維 他 色々

      ■ 狭 い 庭

【平面】キャンバスにアクリル絵具

展 覧 会

【「 縁をなぞる」口 上 】
 子供の頃、気づくと世界は暴力的で恐ろしいものであったり、くだらなく無感動なものであったりして、とにかくなんだか不可解なものでした。
 私はすぐに混乱しやすくいつも不安でおろおろしていました。
 思春期がやってくると、事態はさらに混乱しました。ものがよく見えなくなってしまったのです。これは比喩ではありません。
 目にはもの自体は映っているのですが、自分とは何の関わりもないもののように思えるのです。そのためものは見えているのですが、どうしても見えているように感じられないのです。
 しかし、不思議なことに、ものの輪郭だけを紙に描き写すと、その絵だけはリアルに見えるのです。
 私はその輪郭に掴って何とか心を立ち上げました。

☆この2回目の個展を開くにあたって、ギャラリー・フレスカのオーナー山口さんから何か文章を書くようにと勧められました。
 文章があった方が作品を見る人にとってはとっかかりができるからとのことでした。
 それから毎回文章を書くようにしました。
 作品の説明にはなっていませんが、いつも個展の直前になると文章が頭の中に浮かぶようになりました。